はじめに
当支援室はあん摩マッサージ指圧業を行う「ももの治療院」の中で、不登校やひきこもりなどの患者様に限定して治療を行う部門として開設されました。
施術は不登校・ひきこもりの状態そのものには直接アプローチせず身体的不調の改善を目的としています。
特にまだ外出しての活動を負担に感じる段階において、よりハードルを下げた社会的活動の第一歩としての利用価値を提供できれば幸いです。
何とかしなきゃ、でも動けない――そんな風にもがき苦しみ続けている方たちの最初のとっかかりとなりたい。それが私の思いです。
ごあいさつ
母体となる「ももの治療院」は北海道空知管内にある滝川市で開業して約50年になる老舗の斉藤治療院の姉妹店として新たに開業いたしました、自費診療も行う訪問専門マッサージ治療院です。
私自身も不登校やひきこもりの経験があります。それも一度や二度ではなく、思春期以降の人生はひきこもることと共にあったとも言えます。おかげで家族や友人たちには迷惑をかけてきました。
今世紀はコロナ禍で人と人の接触の機会が奪われることがありました。その中で、自分の人生と照らして、人に触れる/触れられることによる情動的な影響や生理物質の状態の変化も含む、マッサージの中長期的な影響をいま一度見直す必要があると考えました。幸いにも、近年オキシトシンをはじめとする、触れる/触れられることに関連する研究報告が数多く上がってきています。
私が国家資格を取得しあん摩マッサージ指圧師になったことと、時代の潮流、研究の進展、自分の人生。いま社会に上手く入っていけず苦しんでいる人たちを救うのはもはや自分の使命なのではないか、と勝手ながら考えたり、あるいは過去の自分は救えなかったけれども、今苦しんでいる人の助けができれば何かここまで生きてきた意味があるのではないか、そう思っています。
もちろん、不登校もひきこもりも、それ自体が悪というわけでも病気というわけでもありません。その状態で持続可能な社会生活を送る充実した方もいらっしゃいます。ただご本人が今の状態を抜け出したいと思っているならば、適切な支援が必要です。
不登校やひきこもりといった方々を対象に、各人の貴重な人生の中でより早い段階での社会生活への再突入を支援するべく訪問マッサージの部門を設立いたしました。当事者様、ご家族様、医療従事者様、教育関係者様、各関係支援団体様、地域の皆様にはどうかご理解のほどよろしくお願いいたします。
ももの治療院